日本国憲法Q&A 立正佼成会外務部・平和問題研究会憲法部会編

昭和22年5月3日に日本国憲法は施行されました。日本国憲法は一度も改正されることなく、私たちの国と社会の基本法であり続けています。そもそも憲法とはどのような法なのか、日本国憲法は生命の尊さ・平和・信仰をどのように考えているのか、どうして憲法改正には国民投票が必要なのか、今の憲法には本当に不都合な点があるのか……。あらためて日本国憲法について考えませんか。

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日本国憲法Q&A 立正佼成会外務部・平和問題研究会憲法部会編

憲法は私たち国民一人一人のものです。あなたは最近、日本国憲法を読んだことがありますか?

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■憲法があるから、現在の私たちの自由がある
憲法は国の根幹をなす「きまりの中のきまり」です。国民が国家や政治権力に対して課した法律でもあります。国民から政治を任された政党や議員は憲法を尊重し、憲法に従って政治や行政を進めていかなければなりません。現憲法は次のように定めています。
「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」(第九十九条)
また、憲法に違反するような法律をつくることも許されません。憲法は、政治活動のルールでもあるわけです。
ですから、他の法律と違って、国会の多数決によっても、憲法を改めることはできない仕組みになっています。

改正には「衆参両院でそれぞれ総議員の3分の2以上が賛成」し、「国民投票で過半数の賛成」という特別な手続きが定められています。こうした厳しい条件が定められているのは、憲法が国の基本となる、最も大事な法律だからです。とりわけ、国民投票を定めているのは、憲法改正によって影響を受ける国民の直接的な承認を求めているからです。
先日の5月14日、この国民投票の具体的な手続きを定めた「国民投票法」が国会で成立しました。今後は、憲法に関する議論がさらに高まっていくとともに、国民一人一人の判断が一層重要になってきます。私たちの判断が、現在だけでなく、将来の国民にも大きな影響を及ぼすのですから、憲法をはじめ国のあり方に無関心であってはならないでしょう。

2005年1月、NHK放送文化研究所が「憲法と司法制度に関する世論調査」を行いました。その調査によると、「あなたは日本国憲法を読んだことがありますか」という設問に対して、「読んだことがない」と答えた人は42・8%、「一度は読んだことがある」は28・7%、「何度か読んだことがある」は19・1%でした。一方、「よく読んでいる」という人は2・7%、「たまに読んでいる」は5・9%という結果でした。
ほとんどの人は日常的には憲法を読んだことがないということです。多くの人々は「憲法」と聞いて、「自分の生活にはあまり関係ない」と思っているのではないでしょうか。しかし、私たちの生活の基本となる部分で、多種多様な形で密接にかかわっています。

例えば、「素敵な人と出会い、好きな人と結婚したい」と誰もが思うでしょう。2人の男女の合意によって結婚できるのは日本国憲法で「婚姻の自由」が認められているからです。
信条や性別、社会的身分、財産、収入に差別されることなく、20歳に達したすべての成年者に選挙権が与えられています。現憲法が選挙の原則を定めているからです。また、人生で必要な基礎的な知識や技能を身につけ、豊かに生きていくためにすべての国民に「教育を受ける権利」が保障されてもいます。

今では当然と思っていることも、憲法で定められたからこそ権利として持つことができるのです。
ある人は、「憲法を読むことで、日本が歩んできた歴史を知るきっかけになった」と言います。憲法ができた経緯や背景を知るには、どうしても戦前の日本に目を向けなければならないからです。当然のことのように感じていた自由や権利が、実は「当たり前のことではなかった」と発見した人もいました。

法を読むことは、自分の生きている世界を深く考えることにつながり、結局は自分自身の人生と向き合うことであるのかもしれません。そこから、将来の国のあり方、子や孫が暮らす世界を想像してみることも大事だと思います。
まずは前文に目を通すことからお勧めします。先の二度にわたる世界大戦の反省に立ち、平和な社会づくりを目指した先人の熱い思いを感じるはずです。そこに込められているいのちの尊厳や、「不殺生」「非暴力」という仏教の平和観につながる精神を受け止めてほしいのです。
〈おわり〉

『佼成新聞』2007年6月24日付(佼成出版社


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