急がず、休まず

道を歩いているとき、石につまずいたとします。その反応の仕方はそれぞれです。自分がうかつであったと反省する人、石に腹を立てる人、石をそこに置いた人間を恨む人・・・・・。一つ一つの出来事をどう受け取るかによって、人生は良い意味でも、悪い意味でも大きく変わるといわれます。物事をどのような目線で見ていくことが大事なのか。庭野日鑛・立正佼成会会長による智慧と慈悲のメッセージを贈ります。

検索


急がず、休まず

人と人の間に生きる

  • 友人
  • 夫婦
  • 上司部下

自分のいのちというものを考えてみますと、私たちが「いま生きています」と、胸を張って言えるかどうかが問われているように思います。胸を張って「生きています」と言えるような心で毎日を生きているのかどうかということです。
 その意味で、私たちは最初に、人間という生き物に生まれた事実から考えていくと、大切なことが分かってくるように思います。人間として生まれてきたことは、いのちの根源と申しますか、根本的なことです。人間以外の生き物に生まれたかもしれない私たちが、人間に生まれついたという根本を問うことが、生きる上で一つの大事な問題であると思います。
 私たちは普通、人間(にんげん)と言いますが、これを人間(じんかん)と読んでみると面白いのです。車と車の間を車間(しゃかん)と言いますから、人と人の間で「人間(じんかん)」です。「人間(にんげん)」と読むよりも、生き物としての姿をはっきりさせる意味合いがあると思います。もし「人間とは、どういう生き物ですか」と問われたら、「人間(じんかん)」、すなわち「人と人の間を生きる生き物」「人と人の間柄を考える生き物」と言えるわけであります。
 人間以外の動物は、まず他のことを考えないそうです。自分だけのことしか考えない、それで間に合ってしまいます。ところが人間は、そうではありません。本当に悲しい思いをすると、他の人の悲しみも分かるようになってまいります。そして、「人と人の間柄を考える生き物」として、相手を気遣い、幸せになれるご法の道を何とか歩んで欲しいと働きかけます。思いやりの心を持つわけです。そこが、人間と他の動物との違うところであり、私たちが人生を生きていく上において大事なポイントになってくると思います。

『佼成新聞』(佼成出版社)より


この記事を誰かに伝えたいですか?