急がず、休まず

道を歩いているとき、石につまずいたとします。その反応の仕方はそれぞれです。自分がうかつであったと反省する人、石に腹を立てる人、石をそこに置いた人間を恨む人・・・・・。一つ一つの出来事をどう受け取るかによって、人生は良い意味でも、悪い意味でも大きく変わるといわれます。物事をどのような目線で見ていくことが大事なのか。庭野日鑛・立正佼成会会長による智慧と慈悲のメッセージを贈ります。

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急がず、休まず

どんな現象も「空」である

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明るく、優しく、温かい心、親切な心こそ、人間にとって大事なものです。私たちは、せっかく水晶の玉のような心と体を頂いているのですから、それを仏さまの教えによって綺麗(きれい)にしていく修行を、今させて頂いているのだと思います。
私たちの人生には、本当にいろいろなことが起こります。そして、よく「悲しいこと」「つらいこと」「嫌なこと」とか言いますが、そうした受け取り方そのものが、どうも主観的なものであって、その人が、そういうふうに受け取ったから、そのように思ってしまっているということではないかと思います。
もっと客観的と申しますか、宇宙的と申しますか、そうした発想で見ますと、仏さまが「色即是空(しきそくぜくう)」という言葉で表されているように、あらゆる現象は、本来、プラスマイナスゼロの状態、空なのだとされています。それを人間が勝手に、「悲しい」「つらい」「嫌い」などと受け取ってしまうことから、苦悩が生じていくのだと教えられています。
どんな現象もプラスマイナスゼロ、空である--そういう受け取り方をするようになると、人間の苦悩は相当薄らいでいくのではないかと思います。そうしたことを私たちに気づいてほしいということで、仏さまは、いろいろな教えを説かれています。もちろん法華経もその一つです。
仏さまが、私たち人間に、本当に受け取ってほしいと願われていることを、しっかり受け取らせて頂き、明るく、優しく、温かい人間を目指していくことが、本来の人間の生き方であって、競争をして、ただ勝てばいいということではないわけであります。

『佼成新聞』(佼成出版社)より


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