急がず、休まず

道を歩いているとき、石につまずいたとします。その反応の仕方はそれぞれです。自分がうかつであったと反省する人、石に腹を立てる人、石をそこに置いた人間を恨む人・・・・・。一つ一つの出来事をどう受け取るかによって、人生は良い意味でも、悪い意味でも大きく変わるといわれます。物事をどのような目線で見ていくことが大事なのか。庭野日鑛・立正佼成会会長による智慧と慈悲のメッセージを贈ります。

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急がず、休まず

悩み苦しむ時、自分を変える

  • 内省
  • 葛藤
  • 苦悩
  • 変化

日本には、「窮(きゅう)すれば通(つう)ず」という言葉があります。行き詰まり、困りきると、かえって活路が見いだせるという意味です。この「窮すれば通ず」は、ちょっと略されているのだそうです。元々は、「窮すれば変ず、変ずれば通ず」です。それを略して「窮すれば通ず」と短くしたのだそうです。
今、目の前に、自分の力では解決できないような大きな問題、乗り越えねばならない障害や難題を、どんと置かれたとします。すると、私たちは、その問題や障害を何とか解決しようとします。自分にとって、苦しく、つらく、悲しく、重たい、不愉快な現実、現象を何とか変えたいと、努力するわけですけれども、簡単にはなかなか解決しないのが普通です。簡単に解決できない問題だからこそ、苦悩するわけです。
そこで、「窮すれば変ず」ということが、大事なこととして教えられています。今までの考え方、方法、やり方、手段、価値観などを変えなさい。柔軟に新しい考え方を取り入れなさい。そのために一番頑固な自分を変えなさい。それが、「窮すれば変ず」の意味合いだそうであります。
私たちは、悩み苦しんでいる時、なかなか自分を変えようとしません。環境を変える、人を変えるという方向に、ついつい心が向いてしまいます。そして、一番頑固な自分を変えようとしない。ということは、いつまでも問題が解決しないことになってしまうわけです。ですから、現実をどう変えるかではなく、自分をどう変えるか。そこに気づけば問題は解決していく、解消していくということを教えているのが、この「窮すれば変ず、変ずれば通ず」ということです。

『佼成新聞』(佼成出版社)より


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