尾木ママのだから子育てはおもしろい!

思春期の難しさは、子どもの成長の証。尾木直樹さんによる、悩めるお父さん・お母さんへのアドバイスです。

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デジタルネイティブな子どもたち 尾木直樹

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スマホ依存と思春期

ここ数年で、急速に普及したスマートフォン。もはや大人、子どもを問わず、なくてはならない存在になりつつあるようです。その一方で、便利さゆえになかなかスマホを手放せず、ネット依存に陥(おちい)る人が増えています。特に、思春期の子どもたちは、SNSやオンラインゲームに夢中になるあまり、学業や日常生活に支障をきたしたり、健全な発達に重大な影響が出ることも少なくありません。なんとかしなければと頭を悩ませる親御さんも多いのではないでしょうか。

なかでも若者に多いのが、「LINE」などのSNSをやめられない「SNS依存」です。以前、この連載でも書きましたが、思春期の子どもにとって、友だちとの絆(きずな)は親から精神的に自立する上で非常に大きな意味をもっています。彼らにとって、友だちと密につながり、リアルタイムでやりとりができるSNSは、このうえなく魅力的なツールに映るのでしょう。

とりわけ、女の子は友だちとのつながりを重視する傾向が強いですから、文字通り24時間、ネット上でのおしゃべりを続けようとします。しかし、それは裏を返せば、「会話についていかないと仲間はずれにされるのでは」という不安が、それだけ大きいということ。当の子どもたちも、実はそんな状況に疲れ、負担を感じてもいるようです。また、四六時中友だちとつながっていては、思春期に必要な〝自分と向き合う〟孤独な時間をもつこともできませんから、後々子どもの自立に大きな影響を及ぼす可能性があります。

そもそも、絶えずスマホでのやりとりを気にしていては、生活のリズムが不規則になります。睡眠不足や食欲不振、視力の低下を招いたり、やる気や集中力に影響を及ぼしたりと、学業がおろそかになることは言うまでもありません。また、ネットでのささいなやりとりが深刻なトラブルを招くケースも多発しています。言葉の行き違いからいじめに発展する、軽い気持ちでアップした言葉や画像、個人情報がもとで犯罪に巻き込まれるといったケースもあるのです。

子どもたちを守るために

とはいえ、〝デジタルネイティブ”と呼ばれる世代の子どもたちにとって、ネットの世界は単なる仮想空間ではなく、リアルな日常生活そのものになっています。そんな彼らに、頭ごなしに〝スマホ禁止〟を唱えても、すんなりと納得するはずはないでしょう。

では、子どもの身を守り、上手なスマホの使い手となれるよう、親はどのようなサポートをすれば良いのでしょうか。

それは、子どもにネット世界における適切な情報モラルというものを身に付けさせることです。スマホを使う上で守らなければならないルールを子どもと一緒に考え、お互い納得のいくものを作って、親子で実行してみてください。まず、親自身がその危険性をしっかり認識し、自律的な使い方をしている姿を示すことも肝心ですよ。

具体的には、スマホを使用する場所はリビングに限定する、食事中には使用しない、親が購入し、子どもにスマホを貸しているという前提を忘れない、など。「親がうるさいから」と友だちに断わりやすくもなります。思春期の子どもは親に反発しながらも、すべて任されると不安を覚えますから、親子共同のルール作りで、自立をうまく後押ししてあげられるといいですね。


キーポイント
スマホは便利な道具ですが、使い方を誤るとトラブルに発展することも。「我が家のルール」を親子で作り、守っていけるようリードしてくださいね。


【プロフィル】
尾木直樹(おぎ・なおき)

1947年滋賀県生まれ。法政大学教職課程センター長・教授。教育評論家。臨床教育研究所「虹」所長。中高の教師として、22年間子どもを主役としたユニークで創造的な教育実践を展開。現在も大学で教壇に立つかたわら、「尾木ママ」の愛称で親しまれ、テレビ番組、CMなどで活躍。これまで執筆した教育関連著書(監修含む)は200冊を超える。


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