生きる力の源泉

生きるために必要な力とはなんでしょうか。その力はどこからわいてくるのでしょうか。 このコーナーでは、算命学カウンセラーの中森じゅあんさんがコーディネーター役になり、各界で活躍されている方々をゲストに迎えて、私たちが「本来的に生きる意味」を再確認し、「どう生きるか」をあらためて考えていきます。

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生きる力の源泉

中森じゅあん×萩原優 対談【前編】 催眠療法で自分を見るとは

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第12回は、がんの原因は心の持ち方にあると考え、全人的な立場から肉体だけでなく、魂・精神まで踏み込んだ医療を行うドクター・萩原優さんがゲストです。

プロフィル
萩原優(はぎわら・まさる)
イーハトーヴクリニック院長。聖マリアンナ医科大学客員教授。医学博士。聖マリアンナ医科大学第一外科にて消化器外科、内視鏡的診断・治療、緩和医療に従事。30年以上、大学病院に勤務した後、「森の診療所」院長を勤める。NPO法人ほあーがんサポートネットワーク代表。日本医療催眠学会理事長。日本ホリスティック医学協会専門会員。著書に『がんの催眠療法』『前世療法体験CDブック』ほか。

中森じゅあん(なかもり・じゅあん)
日本算命学協会代表。バイオシンセシス・ボディサイコ・セラピスト。「灯(とう)の会(え)」主宰。ワークショップ、セミナー、個人セッション、講演、エッセイやメッセージの執筆など、多岐にわたる分野で活躍。幅広い女性層から支持を得ている。著書に『中森じゅあんの算命学入門』(三笠書房)、イギリス、アメリカ、中国でも翻訳された『天使のメッセージ』シリーズ(大和出版)は世界で愛読されている。『天使の愛』(中公文庫)など多数。


求められる心へのアプローチ

中森
長年、外科のお医者さまをされていましたが、がんと心の関係に着目され、心にアプローチされる世界に入られました。どんなきっかけから心に強く関心をもたれるようになったのですか。

萩原
大学を出てから食道や胃、大腸、肝臓、胆嚢など消化器外科で、とにかく肉体を治していこうとずっとやってきました。心のことはあまり考えなかったですね。実際、がんの治療も西洋医学では手術と放射線療法、抗がん剤です。それだけに再発して、その三つが使えなくなると為す術がないんです。そうなると緩和ケアになるわけですが、私が外科病棟にいた頃は、手術、その後の緩和ケアまで一貫して主治医がずっとやっていました。それでも治らない人への治療手段は持っていなくて「お腹痛いんです、眠れないんです」と言う患者さんに対して睡眠薬や痛み止めを出すしかありませんでした。

中森
対処療法を施すしかないと。



萩原
そうなんです。今はホスピスにいくという道ができていますが、当時はその道はなくて、入院日数も限られていない。だから2、3か月くらい入院している人もいました。その間、一貫しておつきあいするのですが、終末期の患者さんに向き合うのはつらかったですね。

中森
今の入院期間はどのくらいなのですか? 

萩原
今の外科は2週間くらいですね。当時は、外科的な治療ができない人は、病棟で置いてきぼりになってしまうんです。そんな患者さんを見て自分がああなったらどうなるのかなと思うわけです。大部屋のベッド間は1メートルくらいで、カーテン一枚で仕切られているだけですからね。そういう中でたまたま私が勤務していた聖マリアンナ医科大学病院が、心のケアに熱心で、宗教関係、哲学の方が集まって、勉強会をやっていたんです。睡眠薬でうまくいかない人の痛みに対して、単に痛み止めだけではダメですよね。どうしたら心のケアができるかと。

中森
心のケアがないと不安がつのって、病気の治療にも影響が及ぶでしょうね。

萩原
そうです。そうした勉強会にたまたま私の担当する患者さんを提示したんですね。その縁で私も心のことを広く浅くですが、少しずつ勉強するようになったんです。 がんの患者さんの半分くらいの人は手術などで治りますが、半分くらいの方は残念ながらお亡くなりになってしまいます。ですから、治すほうだけに目を向けるのでなく、心のケアの大切さも知らないといけないわけです。
また、自分自身、50歳くらいになると同年代の患者さんのことは他人事でなく、「自分なら、そうした生活に耐えられるだろうか、患者さんは、どんな気持ちで一人過ごされていたんだろう」とか思うようになったんです。

中森
どうしようもない状況に置かれる患者さんを目の当たりにされ、心のことに関心をお持ちになって、さらに潜在意識に働きかけていく催眠療法を始められるようになられた。何か、きっかけがあったのですか。

萩原
一つの経緯は、1993年に放映されたNHK教育スペシャル「人間はなぜ治るのか」という、がんの西洋医学的な治療以外の方法で自然治癒した人を取り上げるシリーズを観たことでした。「そうか、手術をしなくても治る人がいるんだ」と驚くとともに、人体が想像以上に治癒力を持っていることから心の持ち方が大切なんだなと思ったんですね。また、そのときにサイモントン療法という心にアプローチしていく医療があることを知ったんです。それで心理学をかじっていくと、潜在意識がとても大切なんだということに気づいたんです。催眠療法は、潜在意識につながっていこうというふうなことをはっきり言っていますから、催眠療法をがんの患者さんの心のケアに使えないかな、となったんですね。

中森
「自己治癒力を高めるには、とらわれのない心、自由なマインドでいること。頑なな思考やネガティブな感情から解放されたとき、いのちが活性化し、癒しと再生が起こる」といったことをご著者に書かれていますが、それで催眠のほうにいらしたんですね。 立場は違いますが、私は算命学をやるようになって、心が運命、つまりその人の人生の問題に実際に強く関係していることがわかったんです。 私は小さいときに満州で暮らし、戦後はガラッと生活環境や状況が変わった経験をしたわけです。満州と日本に帰国してからの人生があまりにも変わったことから、幼な心にも自分の未来にどんなことが待っているのだろうかと、一人っ子だったせいもあって、一人で空想を楽しむ癖がついちゃったんですね。
「どうすれば先のことがわかるんだろう」と、思っていたら街に手相を見る人がいたんですよ。大人の人たちが手を出して運命とか将来、その人の見えないところを見てもらっているらしい。そこで、ちょうど10歳のときですが、ワクワクしてお小遣いを持って、行ったんですよ。

萩原
見てもらったんですか?

中森
はい。一人で行くのが恥ずかしいので、友達を無理矢理ひっぱって一緒に行きました。そして、優しそうな白髪のおばあちゃまの前に行って手を出したんです。とてもびっくりされましたね。「子どもは線が少ないからあんまり沢山のことはわからないのよ」と言われましたが、やさしく見てくださって、何とその通りになりました。友達は「早く世の中に出て生活費を稼ぎます」と言われたんです。「あなたはこの人に比べれば長いこと学校に行きます。そして、将来は恋愛結婚します」と(笑)。実際、彼女は中学を出るとすぐに住み込みで美容師修業に入り、10代からバリバリの社会人です。私は一応、恋愛結婚をしたんです。そんなこともあって、ますます見えないことに関心がわいたんです。 生年月日は前世に関係していると思うんです。生まれた日は偶然ではなく、帝王切開しようともその日に生まれるようになっている。長い間、生まれ星を見ているうちに、これはきっと前世の関係があってこの日に生まれたんだなと。これは私なりの解釈ですが。

萩原
一日くらいあまり変わらないかなと思うのは、とんでもない話なんですね。

中森
極端に言えば、一分違って午前零時を過ぎたら次の日になるわけですね。そこにある世界を人間小宇宙と言いますが、私はどちらかというと心やものの考え方とか人生に興味があるんです。 それは出会う方の8、9割が星の通りになっていないからなんです。それは驚きで「どうしてだろう」と探っていくうちに、どうも心の問題じゃないかなということに気がついたんです。それから心理療法を勉強して、バイオシンセシスのトレーナーズトレーニングを5年間受けて、その間に吉福伸逸さんからトランスパーソナルの心理療法を学んだんです。

萩原
星の通りでない方が8割くらいおられるということは、8割くらいの方は本来の生き方ができていないということになるわけですか。

中森
はい。エネルギーが強い人で、明るく元気な人だなと思ったら、ものすごい心配性だったりするんですよね。小さなことを心配するという星はどこにも出ていないんです。それで聞きますと、「お父さんが心配性でした」とか幼少期のことがすごく関係しているんです。それはもう心理的なことですよね。信念というか思い込み、教育とかしつけ、時代もありますけれど。それで、いろんな心理療法をやるなかで、インナーチャイルドや年齢退行療法、前世療法も受けたんです。そんな頃、私の親しい人が、がんになったため、萩原先生とお話をするようになったんです。私は先生が、お医者さまの傍ら催眠療法もやってらっしゃるので、精神科医だと思い込んでいたら外科の先生だったのですね。 私の父は大正生まれでもう40年も前に73歳で亡くなりましたが外科医でした。私が20代くらいのとき、「医療に催眠法を活用できるんじゃないかと思っている」と聞かされ、随分進んだ考えを持つ人だったのですが、内心驚いた記憶があります。

萩原
すごいですね。

中森
私たちは知らず知らずに、潜在意識に動かされて生きている場合が多いと思いますが、そのことを知って自分の内面の深い領域にあるメッセージや情報と真摯に向き合って「意識的に生きる」のはとても有益で大切なことだと思います。そのためにもよきヒプノシストのサポートを得ながら穏やかに安心して、潜在意識に深く入っていける催眠療法は、代替医療としてこれからさらに広い分野で多くの方々の心身の健全な幸せのために貢献できることでしょうね。


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