生きる力の源泉

生きるために必要な力とはなんでしょうか。その力はどこからわいてくるのでしょうか。 このコーナーでは、算命学カウンセラーの中森じゅあんさんがコーディネーター役になり、各界で活躍されている方々をゲストに迎えて、私たちが「本来的に生きる意味」を再確認し、「どう生きるか」をあらためて考えていきます。

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生きる力の源泉

中森じゅあん×帯津良一 対談【前編】 何かにときめくことが大事 健康の秘訣はそこにある

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第一回目は、多くのがん患者さんとふれあっている医学博士の帯津良一さんがゲストです。(撮影協力/心と体といのちのセンター「水輪」)


プロフィル

帯津良一(おびつ・りょういち)
医学博士。帯津三敬病院名誉院長。日本ホリスティック医学協会会長。日本ホメオパシー医学会理事長。医療の東西融合という新機軸を基に、がん患者などの治療にあたっている。また、代替療法への造詣が深く、治療に積極的に取り入れているほか、講演や、大学での講義なども行っている。著書に『心と体を強くする養生365日』(三笠書房)、『健康問答』(平凡社/五木寛之共著)、『白隠禅師の気功健康法』(佼成出版社)など多数。

中森じゅあん(なかもり・じゅあん)
日本算命学協会代表。バイオシンセシス・ボディサイコ・セラピスト。「灯(とう)の会(え)」主宰。ワークショップ、セミナー、個人セッション、講演、エッセイやメッセージの執筆など、多岐にわたる分野で活躍。幅広い女性層から支持を得ている。著書に『中森じゅあんの算命学入門』(三笠書房)、イギリス、アメリカ、中国でも翻訳された『天使のメッセージ』シリーズ(大和出版)は世界で愛読されている。『天使の愛』(中公文庫)など多数。


西洋医学と中国医学の融合

中森
私はご著書をとおして、長年がん治療の最前線にいらっしゃる先生が、早くから目に見えない「気」の重要性を堂々と語っていらっしゃるのを知って以来、大ファンになりました。本日お会いできて、とてもうれしく思います。

帯津
いや私も、中森さんがやっていらっしゃる算命学がどういうものなのか、興味があります。

中森
私が学んだ算命学は、戦国時代に鬼谷子という人が創案した中国最古の占星学といわれています。長年の間、一子相伝での帝王学として伝えられてきました。
陰陽学五行説で宇宙の法則・自然の摂理に基づいてつくられた太陰太陽暦をもとに、生年月日で各人の宿命と運命を探求していくものですが、たいへん奥が深く、壮大で、すっかりハマって、10年間教えを受けました。
私自身、本職はコピーライターだったのですが、一方では、目に見えないものに強くひかれ続け、現在では算命学と、次に学んだいろいろな心身療法を統合した形でクライアントのご相談にのらせていただいております。
算命学を使っていて気づいたことは、同じ生年月日の場合、宿命はまったく同じなのですが、育成歴やものの見方、心の持ちよう、価値観など見えない要因や内面によって、運命・人生がそれぞれ違っているということです。とても不思議です。
先生はたいへん多くの患者さんたちを治療されていますが、ご著書の中で「がんは一人ひとり違っていてミステリアスだ」と語られていますね。じつは自分の経験から同じ感想を私も内心に抱いていたのです。その“違い”を先生は、どう思いですか。

帯津
ええ。同じ部位のがんであっても、患者さん一人ひとりの心のあり方、心の持ち方でもずいぶんと違ってきます。

中森
やはりそうですね。先生は肉体に現れている症状に対して、心の面、さらには生命場という、だれもが体の中に持っている「目には見えないエネルギー」をたいへん重要視されています。生命場とは耳慣れない表現ですが……。

帯津
私が生命場という考えに至ったのにはね、不思議な出合い、経緯がいっぱいあって。この話、長くなりますよ(笑)。

中森
長くてけっこうですので、ぜひお聞かせください。

帯津
外科の手術ばかりしていた若いころ、西洋医学の進歩はすでに著しかったんですが、がんの治療成績はさほど上がってこなかったんですね。進歩が成績に結びつかないということは、なにか構造上に限界があるにちがいない。そこでいろいろ考えているうちに、西洋医学は体のある一部分を診るには非常に長けた医療だけれども、部分と部分にある、目には見えないつながりのようなものを診ていないんじゃないかと思うようになったんです。
そこでふと気がついたのが中国医学のことです。中国医学は、肉体をつぶさに診るというよりも、臓器と臓器のあいだの関係を陰陽学説、五行説で整えていくものでしょ。だから部分を診る西洋医学とつながりを整える中国医学を合わせるといいんじゃないかと。


ネットワークとエネルギー

中森
西洋と中国の医療を結合させようというのは、柔軟な発想ですね。しかし中国医学には、漢方や針、灸、食養生などがありますけれど、先生はその中で最終的に気功を選ばれます。

帯津
私は大学生のときに空手をやっていて、その後に八光流柔術というものに出合ったんです。これは古武術を現代風にしたもので、まあ、言ってみれば指圧のツボや、筋である経絡のような部分を攻撃するんです。そこに当たると、痛くて相手がすっ飛ぶんですよ。

中森
ということは、ツボの位置や経絡なども、全部覚えなくてはいけないですね。

帯津
ある程度は知らなければならないけれど、難しいのはハッと突いた瞬間に、臍下丹田の気を一気にもってくることなんです。そこで私は、呼吸法をしっかり学ぼうと思い、丹田呼吸法の道場に通いだしたんですね。その道場で学んでいたあるときのこと、呼吸をしていると宇宙と一体になったんです。これは言葉でどう表現したらいいのかわからないけれども、息を吸ったり吐いたりしているうちに、宇宙を非常に身近に感じた。それでもう、柔術より呼吸法に魅せられてしまいましてね。
ちょうどそのころです。中西医結合のことを本気で考えていた私は、中国の北京と上海の医療現場を視察に行ったんですね。そして気功と出合い、「これだ!」ってひらめいたんです。帰国してから、しばらく後に、気功の専門室がある病院をつくりまして、治療に気功を取り入れました。
しかし、当時はまだ、近代医療に気功を取り入れていく論理的な組み立てが十分ではなかった。それが不十分だと、患者さんはもちろん、同僚の医療者に理解してもらえませんからね。初めのころは失敗の連続でした。患者さんに気功を教えて、「また明日いらっしゃい」と言うと「はい」っていい返事をするんです。ところがその後、一人も来たためしがない(笑)。これじゃあだめだと。

中森
患者さんにとってみれば最先端の医療機械があって、それを使って西洋医療で科学的に診てもらうことが、高度な治療なのだという思い込みがありますからね。

帯津
そうなんですよ。体にたくさん管をつけられたりするのが高度先進医療だと思って、満足しちゃったりね(笑)。まあ、だけれども、いつまでも漠然とした考えではいけない。「部分」と「つながり」を融合させるためにどうしたらよいかを考えました。
そこでまた“ひらめいた”んです。手術で体の胸を開いたり、体の中を見たりしていましたが、肺と胸壁のあいだ、心臓や肝臓、胃、膵臓と、みんなくっついていないで隙間があるんです。隙間があるから手術で臓器の裏に手をまわせるし、危険な血管にも対処できる。これは、電線が交錯してネットワークをつなげているように、隙間が人体ではネットワークをつくっていると思ったんです。「そうか、隙間は物質量なんだ」と。
物質量というのはひとことで言うと、目には見えない質量や力などを集めた単位です。この物質量が他に対応し、影響を与えている空間を「場」と呼ぶんです。電場、磁場なんて言いますよね。ちょっと難しくなりましたが、要は、人体はさまざまな物質量を含んでいて、それに対応する場をもっている。生命に直結する場、すなわち生命場というものを形成していることに気がついたんです。この生命場のエネルギーが命だろうと。
そして、命のエネルギーが何らかの理由で低下したときに、これを回復するべく生命場に本来的に備わっている能力が、自然治癒力だと考えたわけなんです。そこらあたりから、目には見えないけれど、命とか、心というものの大事さを強く感じるようになったんです。

【後編】へ続く


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